歯ブラシとボールペン

ご家庭にある歯ブラシまたはボールペンを1本でも2本でもご寄附ください。(杉原宛にお願いします。)

井出司(つかさ)さんとの出会いは、四年前のJLMM(日本信徒宣教者会)の研修会でした。その年の候補生の一人井出司さんは、研修を終え、カンボジアに派遣されました。彼は2年の滞在を延期して、現地の人々の生活の中に入り、彼らと共に生き、活動を続けておられます。私たちにできる支援について尋ねたところ、井出さんの要望は、歯ブラシとボールペンという小さな支援でした。皆さまのご協力をお願いします。

先日、休暇で日本に帰国中の井出司さんから現地の状況を聞きました。
井出さんの活動場所は、カンボジアの中央にあるトンレサップ湖の湖上に浮かぶコンポンルアン水上村です。この湖は東京都とほぼ同じ面積を持つ東南アジア最大の湖で、雨季は5倍程にも拡大するそうです。そこに1500世帯以上もの人々が船を住まいとして生活し、その人口の60%が無国籍のベトナム人だそうです。この村では、生活に使う水を、湖の水でまかなっているのですが、きれいな水の確保は困難だということです。その理由は、生活排水や家畜の排泄物、ゴミなどをそのまま垂れ流しているからです。そのため、赤痢、腸チフス、肝炎、皮膚疾患、中耳炎等の病気が蔓延しているようですが、カンボジア語が話せない彼らは病院に行くこともできません。水上村の多くが公共サービスに与ることができない現状だということでした。
カンボジアの社会から孤立しているこの村のために、井出さんたちは次の3本のプログラムに沿って、彼らの生活支援を行なっておられます。

Ⅰ保健衛生プログラム;
その一つが歯磨き指導。乳歯が虫歯で失われてしまうと永久歯は生えてこないので、子どもの歯磨き指導に力を入れている。

Ⅱ教育プログラム;
ベトナム人の子どもにカンボジア語とベトナム語の勉強を無料で教える識字教室を設けて、カンボジアの公共サービスにもあずかれるよう教育がなされている。生徒数は1年平均して100名程度で、通学船での子どもの送迎も実施している。

Ⅲ栄養改善プログラム
週に1度、子どもや母親たちに対して、簡単な栄養指導を行った後、栄養価の高い豆乳やお粥を配り、栄養補給を行う。

以上、コンポンルアン水上村について学んだことを分かち合いましたが、私たちには水上村の実態はなかなか把握できません。井出さんの最近の記事が、水上村の特徴をよく表しているように思いますので掲載します。

左が教会、後の2棟が学校

《つかさのコンポンルアン便り》  井出つかさ
<学校、浄水装置改修工事>
日本カトリック海外宣教者を支援する会様からご支援を頂き、学校と浄水装置の改修工事を行う事が出来ました。
学校は、建物が浮くために必要な竹を支える木材の補修と、建物が流されない為に必要なロープの購入を行いました。まず水上村の建物は水に浮いている為、建物が沈まないように、大きな木の箱、約800本の竹、ドラム缶で浮く事が出来ています。そして今回は竹を支える木材の補修を行いました。以前の通信で記載しましたが、トンレサップ湖は時期に応じて湖の大きさが変化するため、水位に合わせて引越しを行います。そして引っ越しの際に、湖に浮いているゴミなどが建物にぶつかることによって建物が傷つきます。そのため学校の竹を支える木材も痛みが目立つようになってきました。竹を支える木材が破損して竹を支える事が出来なくなると、建物の下に竹を固定する事が出来なくなり、建物が沈む可能性があります。木材の補修は2日間で終わりました。今の時期は湖の水深が1m以下と浅い為、湖の中に入り作業を行っていました。

浄水装置

私が水上村での活動を始めて、今年の7月で4年が経過します。そして毎年、教会や学校の建物の補修を行っています。教会、学校、浄水装置の建物はそれぞれ出来て10年以上が経過しました。そのため、修繕箇所が増えてきています。床や扉等の低予算ですぐに修理できる箇所は、その都度修理しています。しかし大規模な修理を行う時は、神父様、教会委員会のメンバー、先生達と話し合い、優先順位を決めていきます。特に、建物が水に浮いている為、常に水に浸かっている土台部分の修理は毎年欠かすことが出来ません。(中略)より良い状態で建物を維持していく為にも、教会委員会のメンバーや先生達とのコミュニケーションを今まで以上に良くしていきたいです。