「イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、

手を上げて祝福された。そして、祝福しながら彼らを離れ、
天に上げられた。彼らはイエスを伏し拝んだ後、
大喜びで、エルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、
神をほめたたえていた。」(マルコ24・50~53)

御昇天とは、復活祭の延長線上にある祭日で、復活祭から40日後の木曜日、イエスが使徒に最後に姿を現すと同時に、地上の生活から離れたことを示します。弟子たちがイエスの「死と復活」の意味を消化して自分のものとし、それを生きることができるよう、復活後四十日という長い時間が必要でしたが、今イエスの使命が弟子たちにゆだねられていく責任交替の時が来たのです。イエスは天に昇って御父のもとに戻り、宇宙との新しい関係に入られました。
主の御昇天を描いたマルコの福音を読むと、弟子たちは「大喜びで、エルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた」とあり、イエスとの別れを悲しむのではなく、喜こんでいるようです。最後の晩餐の席で、イエスは「実をいうと私が去って行くのはあなたがたのためになる。去っていかなければ、弁護者はあなたがたの所に来ないからである。わたしが行けば、弁護者をあなた方のところに送る」(ヨハネ:16:7)と言われました。イエスは人としては見えなくなりますが、イエスの霊、即ち聖霊が教会共同体の生命になるという約束です。 イエスは、いつも自分たちの中に住み、共に働いてくださるという新たな信仰が、弟子たちに大きな希望を与えたに違いありません。これから地上の教会を導き、その原動力となってくださるのはイエス・キリストだという確信が、弟子たちの心の中に大きな喜びとなって広がっていったのでしょう。

皆さま、主の御昇天おめでとうございます。これからの一週間、聖霊降臨を迎える準備の祈りをともにいたしましょう。豊かな聖霊の恵みが全世界の教会を照らし、新しい時代を造って行くことができますように!

援助マリア会 杉原法子